電子取引の取引情報は、どのように保存すればいいのか?(概要)

電子取引の取引情報とは、どのようなものかについては、こちらで解説をした通りです。

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そして、電子取引の取引情報は、電子的記録によって保存しなければならないわけですが、どのように保存すればいいのかについては、電子取引関係の一問一答の【問11】から【問39】において、解説されています。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_03.pdf

 

 

その中でも、個人的に、実務的に重要なことが書かれていると考える問は、いくつかありますが、今回は、保存方法の要件の概要に関する、【問11】について、解説します。

 

【問11】では、以下のように書かれています。

 

1 電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け(自社開発のプログラムを使用する場合に限ります。)(規2②一イ、⑥七、4①)

 

2 見読可能装置の備付け等(規2②二、4①)

 

3 検索機能の確保(規⑥六、4①)

 

4 次のいずれかの措置を行う(規4①)
一 タイムスタンプが付された後の授受
二 速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付す
※ 括弧書の取扱いは、取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限る。
三 データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用
四 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け

 

 

まず、1については中小企業において、この保存のためのシステムを独自に開発されることは、費用対効果の観点から、非現実的なので、あまり関係ないと思います。

 

次に、2については、見読可能、と難しい表現が使われていますが、簡単に言えば、パソコン上で見ることができ、また、必要に応じて、きれいに印刷できる状態を確保しなさい、ということだと思います。

 

パソコンを利用して保存し、プリンターを準備しておけば、見読可能なので、問題ない、ということだと思います。

 

 

重要なのは、3と4です。

 

まず、3の、検索機能とは、簡単に言えば、必要な情報について、速やかに確認できるように、必要に応じて検索できる状態で、保存することを求めています。

 

また、4については、記載されている4つの方法のうち、いずれかについて、実施したうえで、保存することを求めていますが、これは、簡単に言えば、保存される電子取引情報が、真実であることを確保するため、不正な改ざん等によって真実ではない架空の電子取引情報を保存し、利用させないため、の対策だと考えられます。

 

 

実務上は、この3と4について、順守することが重要になりますが、より実務的で具体的なことについては、別の問で詳しく解説されていますが、その点については、改めて、個別に、解説したいと思います。

 

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